ゲームの大まかな流れ
各ラウンドの流れ
『Terraforming Mars』はゲームが終了条件を満たすまで、いくつかの世代(ラウンド)を繰り返します。
各世代は以下の通りフェイズが分かれています。
①手番順決定フェイズ(親プレイヤー・二番手以降は時計回りのため、操作なく自動的に決まります)
②研究開発フェイズ
③アクションフェイズ
④産出フェイズ
③のアクションフェイズでは、時計回りに各プレイヤーが二個ずつアクションを打てます。
アクションフェイズでは、手札からプロジェクトカードと呼ばれるカードをプレイしたり、盤面に示された「標準プロジェクト」と呼ばれる共通アクション等を行ったり、プレイしたカードに示されたアクションを行ったりできます。
一個のみアクションを打ってショートパスをすることは可能ですが、一つもアクションを打たずにパスをすると自動的に「ハードパス」となり、その世代ではもうアクションを打てません。
すべてのプレイヤーがハードパスをすると、その世代のアクションフェイズは終わります。
②と④に関しては本記事内で詳細を後述します。
③のアクションフェイズで行う各アクションに関しては次回記事にて詳細を紹介予定です。
ゲームの終了条件
『Terraforming Mars』の終了条件は三種類のグローバル・パラメータが最大値に到達することです。
つまり「海洋タイルを9枚」「酸素濃度を14%」「気温を8度」の三つの条件を全て満たすことで、ゲームは終了へと向かいます。
ただし、ある世代の途中にこの条件が満たされても、その世代が終了する(各プレイヤーがハードパスをする)までゲームは続きます。
ちなみに最後の世代のみ生産フェイズの終わりに、余った植物の資源を使って緑地を作ることができます。
最後の世代の生産フェイズが終わったら、ゲームの得点計算へと移ります。
最終的な得点要素について
まずは、初期の20点も含め、ゲーム中に得た地球化指数(TR)をそのまま得点にします。
TRはカードの効果で上がったり、気温や酸素濃度や海洋などのグローバル・パラメータを上げたりすることで上昇します。
その後「褒章」「称号」「都市や緑地などの盤面点」「プレイしたカードの得点」が計算され、全ての得点合計が高いプレイヤーが勝利します。
同点の場合は資源数でのタイブレイクがあります。
各得点要素については、次回の記事でも詳細を紹介予定です。
各ゲームのセットアップについて
プレイヤーはゲームの初めに、初期手札を決定する必要があります。
決める必要があるのは以下のカードです。
①自分の企業カード(2枚の内から1枚選択)
②初期手札となるプロジェクトカード(10枚から任意の数を1枚3MCで購入)
③初期資産となるプレリュードカード(4枚から2枚、別売りのプレリュード拡張使用時のみ)
企業カードはそれぞれユニークな永続効果やアクションを持っており、この企業カードによってプレイ中有効な戦略がガラリと変わるのが、このゲームを何度も遊びたくなる魅力に繋がっています。
ちなみにプレリュードカードによる初期資産以外に、企業カードによってある程度のMCはもらえます。
また、企業によってはMC以外に資源や産出量を増やしてくれるものもあるので、初期のプロジェクトカードと見比べてじっくりと決めましょう。
研究開発フェイズについて
基本ルール(ドラフトなし)
第二世代以降は、各世代の初めに「研究開発フェイズ」を行います。(第一世代はセットアップで配られるカードからプロジェクトカードを買うため、このフェイズはありません)
セットアップ時や研究開発フェイズで手札を増やすためには、基本的に「MC」と呼ばれるお金が要求されます。
セットアップ時は10枚配られた中から1枚3MCで任意の枚数購入することになりますが、各世代の研究開発フェイズでは4枚しか配られず、相変わらず3MCが必要です。
特にお金の産出量が少ない序盤は常に金欠状態のため、あまり無計画にカードを研究開発フェイズで買い続けると、何もできずに終盤を迎えてしまいます。火星開拓にはお金も時間もかかるということですね……。
ちなみに配られたカードに良いものがない、お金がなくて買いたくない、という時は0枚購入でも可能です。
ドラフトルール(バリアントルール)
とはいえ、これでは「長いゲームなのに結局カードの引きで決まってしまうじゃないか」と不満を持たれる方も多いと思われます。
そこで、ゲームに慣れてきた中級者以上の方におすすめしたいのが「ドラフトバリアント」です。
ローカルゲームで遊ぶ場合、ドラフト含めてバリアントルールはゲームの部屋を作る画面で設定できます。
今回はこちらのドラフトのチェックをONにします。
ドラフトバリアントを追加すると、各研究フェイズでの手札補充のルールが変わります。
ドラフトオフの場合、4枚引いてその中から任意の枚数購入カードを選んでいましたが、その代わりに各プレイヤーが4枚引いたカードをドラフトして、最終的に残った4枚から任意の枚数を購入します。
ドラフトは、最初の4枚から一番欲しいカードを1枚抜き、3枚を隣のプレイヤーに回し、回ってきた3枚から1枚を再び抜き……といった手順で4枚をプールする方法です。
これにより、完全な引きゲーだった研究開発フェイズが、一気にプレイヤー間の駆け引きが熱いフェイズになるため、ゲームに慣れてきたら是非試していただきたいルールです。
産出フェイズと各資源の役割について
各資源の産出について
『Terraforming Mars』には「MC」「建材」「チタン」「植物」「電力」「発熱」という資源があり、これらは各ラウンドの産出フェイズにおいて、産出可能です。
各ラウンドでの産出量は、その時の各資源の「産出」分ですが、MCのみ「MCの産出+その時のTR」という計算になります。
つまり、TRはゲーム開始時から20あるので、大体20くらいの産出は担保された状態ですね。
ちなみにこれら以外に「動物」や「微生物」などカード上に置く資源も存在しますが、これらは基本産出フェイズでは産出されないため、ここでは説明を省きます。
それらの資源については実際のゲーム内でカード効果をご参照ください。
また、各産出はバリアントルールにより初期を0にするか1にするかを選択可能です。
MCについて
「MC」はすでに触れている通り「お金」です。
カードの購入やプレイ、標準プロジェクトなど幅広いアクションのコストとして要求されます。
火星開拓には莫大な費用がかかるものなのです……。
建材について
「建材」は特定のカードのプレイ時に、1つ2MC分として肩代わりしてくれる資源です。
画像のカード右上にあるアイコンは「タグ」と呼ばれ、この建物タグがついているカードは、本来求められるコストの一部または全額を建材で肩代わりすることができます。
画像だと本来は4MCをプレイコストとして払う必要がありますが、建材があれば「1建材+2MC」または「2建材」で支払えます。
ちなみにコストが奇数の時などは端数が発生しますが、たとえば5MCのコストに対して3建材を支払うことはできても、余剰分の1MCは返ってきません。
チタンについて
「チタン」も建材と同じように特定カードの支払いに充てることができますが、こちらは宇宙タグと呼ばれるタグのカードに使えるのと、1個3MC相当であることに注意です。
このカードの右上のタグが宇宙タグです。
ちなみに一部カードは建材や宇宙タグを消費してMCや得点を生み出す効果を持っています。
植物について
「植物」は8つ集めることでボード上の1マスを緑地化することができます。
緑地はゲーム終了時に1マス1点になる上、自分の都市の周囲に配置すればそれだけ都市の得点を増やすことにもなります。
また、酸素濃度が上がり切っていない状態だと緑地化により酸素濃度もあがり、TRもさらに増えるので2点行動と言えます。
植物の産出量を増やすことが、盤面点を稼ぐための必須条件となりそうです。
上の画像のように、十分な植物がたまると、資源数の上に緑地タイルが表示され、それを押すことで緑地化が行えます。
電力について
「電力」は特定のカードのアクションや追加コストとして必要となります。
電力はラウンド間の持ち越しはできず、余った分は産出前に発熱の資源へと自動変換されます。
発熱について
「発熱」は火星の温度を上げるために必要な資源です。
こちらも上げることでTRを獲得できます。
こちらも8個で温度を上げられますが、上げられるようになったら上の画像のようにアイコンが表示されます。
おわりに
今回は、ルール面でざっくりとした内容を紹介してきました。
火星開拓という壮大なテーマ通り、ゲーム内容もかなりスケールの大きなゲームですよね。
次回はルール解説後半として、アクションフェイズで行える各アクションの詳細と得点要素について引き続き詳しく解説させていただきます。
また、ルール面やアイコン表記などで不安なことがあれば是非コメントいただければお答えさせていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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