基本となる攻略方法
限られた数の手番をいかに圧縮するか
『WING SPAN』はどのようにプレイしても、各プレイヤーごとに手番数が決まっている戦略ゲームです。
1ラウンド目が8手番、2ラウンド目が7手番、3ラウンド目が6手番、4ラウンド目が5手番。
つまり現状実装されているシステムでは、手番はゲーム全体を通して常に26手番で固定となります。
そうなると、やみくもに餌を集めて鳥をプレイして産卵もドローも……とアクションを散らせる余裕がないのは分かりますよね。
実際、鳥をプレイすることだけを目的にしてしまうとなかなかスコアも伸びません。
それどころか肝心の鳥カードのプレイ数もあまり伸びないため、ゲーム終了時に閑散とした楽園が出来上がってしまいます。
それよりも、このゲームで重要なのは「いかに強い1手を打ち続けられるか」という点です。
強いアクションを打ち続けることができれば、たくさん餌獲得アクションを打たなくても勝手に餌は溢れていきますし、手札も潤沢になっていきます。
そうなればゲーム終了時の鳥のプレイ数も、いつの間にか伸びてくるでしょう。
起動時能力を活用する
では、手番を圧縮して強いアクションを打つためにはどうしたらいいでしょうか。
そのための重要な鍵となるのが「起動時能力」を持つ鳥たちです。
たとえばこの「ホシワキアカトウヒチョウ」は起動時能力で麦を一つ獲得できます。
起動時能力の発動条件については前回記事(こちら)にまとめておりますが、要はその鳥がいるエリアのアクションを打った後に発動する能力です。
さて、そうして考えるとこの「ホシワキアカトウヒチョウ」はこの鳥がいるエリアのアクションを打つたびに必ず小麦1を無償で得られます。
その上餌獲得の森林エリアだけでなく卵獲得の平原にもプレイできるため、本来のアクションだけではできなかった「卵を獲得しつつ餌も増やす」というプレイングが可能になります。
もちろん、森林にプレイして餌を大量獲得、というのも強力ですよ。
しかも起動時能力は該当エリアのアクションを打つたびに毎回誘発します。
そのため、1手目にこうした起動時能力を持つ鳥をプレイすれば、その鳥はゲームを通してたくさんの恩恵をプレイヤーにもたらしてくれるでしょう。
ボーナスカードを活用する
皆さんはゲーム開始時に配られるボーナスカードをいつもどのくらい計算していますか?
たとえば画像のようなボーナスカードだと、最大で「巣箱の建築家」で6枚以上を達成した時の7点が加算されます。
「巣箱の建築家」は4枚以上でも4点と点数が高く、これ1枚で鳥カード1枚をプレイするくらいの得点と考えると非常に魅力的です。
ただ実際プレイされた方は気付くと思いますが、これらのボーナスカードの条件を満たすのは意外と難しく、場合によってはボーナスカードを無視してプレイした方が得点効率が良いことも多々あります。
特に「巣箱の建築家」のような鳥の巣の形を指定するボーナスに関しては、カード運に左右されることが多いため、序盤で「☆」の巣のカードが出てくるなどしない限り、狙わない方が無難なことも多いです。
たかが7点のために、出したくもない鳥を獲得してプレイするほど効率の悪いプレイもありませんからね。
とはいえ、ボーナスカードは手番を消費せずに盤外から得点を引っ張ってこれるため、非常に有効な得点源ではあります。
では、ボーナスカードを使って効率よく得点化するにはどうしたらよいでしょうか。
それには以下の2つの方法があります。
・複数枚のボーナスカードを抱える
・上限のないボーナスカードを獲得して特化を目指す
実は鳥カードの中にはゲーム開始時以外のボーナスカードをドローできる鳥が存在します。
画像の「ヤブタヒバリ」はカード自体の素点で3点の価値がある上に、ボーナスカードを1枚もたらしてくれるため、うまくいけば1枚10点以上の価値をもたらしてくれる、ロマンある鳥です。
しかも「ヤブタヒバリ」の場合、ボーナスカードを2枚引いたうちから1枚選べるため、盤面に合わないボーナスカードを引かされる「事故」の可能性も減らすことができます。
また、ボーナスカードの中には「特定の条件を満たす鳥を×枚集めれば〇点」以外に「特定の条件を満たす鳥1枚ごとに2点」といった、得点上限のないボーナスカードも存在します。
たとえばこの「食物網の専門家」は虫を餌コストとして持つ鳥カード1枚につき2点で上限はありません。
当然5枚プレイすれば10点ですし、10枚プレイできれば夢の1枚20点ボーナスです!
虫コストを持つ鳥はボーナスカードの下に記載がある通り、全体の9%ですからそこまで揃えるのは大変ですが、8~10点くらいなら十分1枚で稼げます。
このように、ボーナスカードで点数を底上げするという方法もまた、得点を伸ばすための有力な方法ですね。
強力な能力を持つ鳥カード
卵を1:2交換ができるたち
起動時能力で「卵を1個捨てて〇〇を2個得る」という能力を持つ鳥は強力です。
餌と交換できる鳥と、鳥カードと交換できる鳥がいますが、どちらも見かけたら即確保くらいで良いでしょう。
餌と1:2交換できるカラスは2種類います。
ただし、カラスは他にもおり、中には1:1交換のカラスもいて紛らわしいので注意しましょう!
これらのカラスは餌を獲得する際に共通在庫から好きな餌を取れるため、餌箱のダイス目に左右されない点で非常に強力です。
また、自身も産卵アクションの平原に生息するため、卵を支払うデメリットが簡単にこなせる点も追い風でしょう。
また、フタオビチドリのように卵を鳥カードと交換できる鳥も魅力的です。
こちらはカラスに比べて低コストな上、強力な鳥カードを引く確率を飛躍的に上げてくれます。
「獲得」とテキストにあるため見えている札でも山でも対応できるのも、心強いですね。
ツバメ
初プレイ時からお世話になっている、非常に使いやすい有能な鳥です。
実際に画像を見ていただければその強さが分かると思います。
点数こそ1点ですが、起動能力で手札入れ替えができます。
しかもリリースする鳥カードは捨てるのではなく差し込みなため、1回の起動で実質1点行動につながる上に新たな手札が得られるという能力です。
こうした得点化しつつ手札の入れ替えをする能力自体は他の鳥も持っていたりするのですが、ツバメの強さはその圧倒的な基本スペックです。
生息地は手札獲得の水辺でも産卵の平原でもOK。
どちらも効率的な得点エンジンが組みやすい生息地です。
加えて巣の形が「☆」なため、ラウンド終了目的やボーナスカードの得点源にもなりやすく、素点以上に1枚で得点を稼いでくれる働き者です!
卵も3つおけるのはなかなかのもの。
癖のない能力ながらなんでもこなせてしまうため、序盤見かけたらこちらも優先的に確保で良いでしょう。
カリフォルニアコンドル
筆者が最初に見かけた時にエラッタを疑った鳥です。
卵は1つ、素点も1点のみですが脅威のノーコストですべての生息地におけるという基本スペックです。
しかも恐ろしいことにプレイ時ボーナスカード獲得までもたらすため、素点の低さは完全に補われています。
そもそも、ノーコストでどこにでも置けるということは、ゲームの性質上コストを使わずに以後ゲーム終了までそのアクションを強化できるということになります。
たとえばゲーム開始直後に森林にカリフォルニアコンドルをプレイすれば、それだけでそのゲーム中は餌を獲得しやすい状態でゲームをプレイできます。
終盤だと逆に卵の追加コストがあったり、ボーナスカードを引いても軌道修正しにくかったりして使いにくいですが、序盤プレイするカードとしては最強クラスのカードと言って差し支えないでしょう。
終わりに
いかがでしたか?
三回に渡って紹介をさせていただきました『WING SPAN』の記事も、今回が最終回です。
確かに、今回紹介した通り強い鳥カードも存在するため「引きゲー」と感じる部分もあるかもしれませんが、前提として毎回カラスやカリフォルニアコンドルや強いボーナスカードを引き当てることはあり得ません。
むしろ、それらのカードを引けない前提で安定したスコアを出すために必要なテクニックを、今回の記事の前半では紹介してきました。
特に起動時能力を活用した手番の圧縮はこのゲームの攻略で一番の鍵となります。
うまくいって90点を取れた後に60点……となって悩んでいる方は特に、本記事のテクニックを意識してプレイしてみてはいかがでしょうか。
きっと、このゲームの奥深さが見えてきますよ!
次回からは中量級ボードゲームの中でも名作と呼ばれる『Splendor(宝石の煌き)』の紹介記事を予定しております。
明確なルール、スッキリとしたプレイ感の中でもバチバチ味わえるインタラクションと拡大再生産の快感をお伝えしていきたいと思います!
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